中学1年生のとき、英語の教師と次のようなやりとりがありました:
自分: I am the tallest. のもとは I am tall. ですよね?
教師: そうですね。
自分:それじゃ I like tennis (the) best. のもとは?
教師:それは考えなくていいです。そういうものなんだからおぼえておきなさい。
自分:はぁ?
この「そういうものなんだからおぼえておきなさい」というセリフを言う英語の教師、多いと思います(英語が嫌いになる理由の一つがこのセリフを言う教師の存在だと自分は考えています)。もっとも、この『そういうものなんだからおぼえておきなさい』には 2種類 あるので注意が必要です。
A. なぜそれがそうなるのかは知っているが、事情があって教えない
B. そもそもなぜそれがそうなるのかを知らない(考えたことがない)
『なぜそうなるかは知っているが、まだ文法の知識が少ない生徒に教えても理解してもらえないから教えない』というのが A. の代表例でしょうか。 しかし、そうであるならば生徒としてはきちんと「なぜそうなるのかはまだ教えられないが、それまではそうおぼえておきなさい」と言ってもらいたいところです。
正直なところ、A. はレアで、B. がほとんどでしょう(自分調べ)。それでは、理科の教師に「空はなぜ青いんですか」と質問して「そういうものなんだからおぼえておきなさい」と言われたらどうでしょうか。確かに、理科と英語を同列に扱うのは乱暴かもしれません。しかし、英語にも「なぜそうなるのか」の理由はあります(すべてに理由があるわけではありませんが、その多くに理由があります)。それなのにその理由を考えないのはどうかと思います。
過去のエントリー で『子どもたちが考えることをしなくなっている』と書きましたが、教える側が考えることをしなくなっては子どもたちに「考えろ」と言っても説得力がありません。
自分に「キミの英語力は小学生レベルだね」と言った教師に同じ質問をしたことがあります:
自分: I am the tallest. のもとは I am tall. ですよね?
教師: そうだ。
自分:それじゃ I like tennis (the) best. のもとは?
教師:自分で考えてみたか?
自分:考えてません。
教師:自分で調べてみたか?
自分:そんなにヒマじゃないんで。
教師:辞書を引くのにそんなに時間がかかるのか?
はい、答えは辞書を引けば("best" を引けば)書いてあります。辞書は文法書の代わりになりうるとわかったので、このやりとり以降、辞書をよく引くようになりました。辞書についてはいつか述べたいと思います。また、このやりとりは PAM の Analysis にも関連してきます。そのことについてもいつか述べたいと思います。